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中島たい子の「建てて、いい?」という本を読んだ。中島たい子といえば、「漢方小説」「そろそろくる」に続く3作品目。30代半ばの独身女性である主人公が、いきなり家を自分の建てることになるお話。この作家は私より6年早く生まれているが、主人公の年齢が自分と近かったり、話のテーマが私の関心に近いところにあったりするので本を手に取ってしまう。

私は今は一人暮らしをしてまだ2年ちょっとで、今住んでいる所は今の私には最善の部屋だと思ってるけど、年齢と共にグレードアップしていきたい。2歳上の独身の友達が去年マンションを買った。友達は私より全然高い給料をもらっているはずだから買えたんだと思うけど、できることなら私も買いたい。どうせ買うのなら早いほうがいいとも思う。だからこの本を見つけた時すぐに「おっ!」と思った。

まずは率直にこの主人公を「うらやましい」と思う。30代半ばで家を建てられるお金があるなんて。それに親が買って駐車場になっている土地が埼玉県内にある。主人公は従妹の経営する通販会社に勤めている。前に勤めていた会社から引き抜かれて4年だけど、30代半ばになるまで社員としてしっかり働いていれば、かなりの額の蓄えもあるのだろうか。私は社員になってまだ2年ちょっとしか経ってないし。

私にとって、今住んでいる所は「家」というよりは「部屋」という感じだ。実家はマンションだけどやっぱり「家」っていう感じがする。主人公も最初に考えていたように、「家」とは家族が住むものと思っているからだろうか。マンションだろうが一軒家だろうが、借りているものでなければ「家」という感じがするのだろうか。今の私はまだ仮の住まいだと思っているから「家」と思えないのだろう。

本の中で心に留まった文章を一部。共感、というか「あ、わかるな。」という感じ。

「妄想もするし、恋人が欲しいとも思う。しかし現実を目の前にすると、また話は違う。一度も喋ったことがない男の子にチョコをあげるような、妄想からいきなり現実へとジャンプできた遠い昔がなつかしい。自分の好みのタイプすら分かっていないような歳だったからできたのだろう。でも、この歳になってしまうと、相手を見るなり、綿だな、絹だな、レーヨンか、と種類分けして、それで終わってしまう。理想が高いのではなく、想像が付くから面倒くさいのだ。それで、他人の中に居場所が欲しいだなんて、えらく矛盾しているし、こういう身勝手なことを言ってるから、いつまでも一人なのだ。」

「三十半ばになって、アクティブでもない私が探している居場所は、他人に依存することでも、仕事で成功することでもなく、「場所」そのものだったのかもしれない。空間に守られた個の場所。そこで暮らせば、一人であっても余裕の時間が流れそうな気がする。」

私は家の中にいることが大好きだし、家の中を色々いじったり考えたりするのが楽しい。だから「家」は充実させたい。その「家」は誰かに与えられるのではなく、もう、自分の力で手に入れる年齢になったのだ。誰かと一緒にいることよりも、自分が一番居心地がいい場所にいることの方が、私には大事みたいだ。
by anewyearsday | 2007-04-19 23:43 | | Comments(0)
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