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離婚
久しぶりに本を買って読んだ。そして久しぶりに没頭できる小説だった。川上弘美の「風花」という小説。川上弘美は好きな作品のある作家で今までも良く読んできた。時にはあまり好きではない作品もあった。だけど今回の「風花」は好きだった。この先どうなるんだろう、とどんどん読み進めてしまって、早く読みたいけど読み終わるのが惜しいという感じを久しぶりに味わえた。

結婚して7年の夫「卓哉」の浮気発覚から動き出し、妻で33歳の主人公「のゆり」が結論を出すまでのお話。主人公は私と同い年。でも私はまだ結婚していない。それなのに離婚したほうがいいのかなと考える主人公の物語なんて、きっと共感するのは難しいし結婚に対して不安が増しそうで読んでいいのかなとちょっと心配になった。それでも読んでしまった。

主人公はこれまでの川上弘美の小説に共通した、年齢よりは子供っぽくてふわふわして頼りなくて、ちょっと情けない感じの女性。私がもし友達ならちょっとイラッとしてしまう女のタイプ。だけど今回は今までとちがく感じた。時間かかりながらも現実と向き合い色々なことに気付き発見し、流されて離婚するでもなくじっと石のように動かなかった。その頑固さは何か少し意外だった。

(好きっていう気持ちは、ふつうにしていたら、わからない)
(事が起こった時の腹がたつ、とか、くやしい、とかいう、裏側からの気持ちで、はじめてそのひとを好きなのかどうかが、わかる)

という文章がある。きっと主人公は夫のこと愛していたんだと思う。浮気されても。物語は年月の経過と共に、色々なことが起こる。最悪なポジションで膠着状態に入り、もう何もどうにも出来ないと思ったところで事態は少しずつ好転していく。夫と共に転勤することになり浮気相手とは合わなくなったり、具体的な話にもならなかった夫がだんだん自分に向き合い始めたり。

…いや、好転しているように見えるのは他人から見てだ。主人公本人にとってはそれは好転ではなく、離婚という結論を出すまでの道のりとなっていった。それまで夫に背を向けられていたことへの怒りや悲しみや嘆き、2人の女との浮気(しかも一人は本気)で裏切られ信頼を失ったことが、夫が自分の元へ戻ってきそうになるほどに大きくなって許せなくなっていったのだろうか。愛しているが故に。

最後の最後までこの夫婦がどうなるのか分からなくて、はらはらドキドキした。結論は意外だったから悲しかった。私の気持ちとしてはやっぱり、この夫婦には修復して欲しかったんだと思う。そりゃ当然夫の浮気は許せないと思う。なぜ、男は外に恋人を作るんだろう。夫が本気だった浮気相手と別れてだんだん妻の方へ戻ってくるところなんか、夫婦というより恋愛の始まりみたいだったのに。

最近芸能人の離婚の報道を聞く度、結婚関係って寿命の長くなった現代では一生続く愛というのは無いのだろうか…と少し悲しくなる。芸能人の場合は離婚がマイナスにならないケースもあるし、女一人で生きていけるだけの収入があるから簡単に離婚を決断できるんじゃないかと思う。だから今度は、超スピード婚の人達のことも心配になる。

私の多くの結婚している友達、もう結婚生活が長い人達もいるよね。どうですか、結婚生活は。上手くいってるの?…「風花」を読んだら、結婚する前から離婚の心配をしてしまった。
by anewyearsday | 2008-04-20 01:11 | | Comments(0)
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