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ビスケット
連日暑い…。東京も30℃を超える日々がやってきた。また夫と観たい映画が一致したので、昨日は「劔岳 点の記」を観に行った。川崎では上映してる映画館が3館もあったので、時間の都合が合った109シネマズにした。川崎の109シネマズで映画を観たのはこれが初めて。

テレビなどでもさんざん宣伝されているから知っている人は多いでしょうが。明治時代後期、唯一日本地図の中で空白になっていた前人未踏の山、剱岳を測量のために登る男達の話。日本のお国のため、地図を作るために行かなければならない測量部の浅野忠信、現地の案内人である香川照之、測量部とどちらが先に剱岳登頂を果たすか競っている山岳会の仲村トオル。演技力の高い豪華俳優陣。

雪山に登る話なので、映画を観ているうちに寒くなるだろうと思い、外は暑いが冷房対策のためにも映画館のブランケットを借りて入ったのが良かった。鑑賞の際には寒さ対策気をつけましょう。寒くなります。山の映像は本当にすごかった。特に人物入りの引きの映像になると、あのすごい岩肌の山を、あの山の稜線を、本当に歩いて登っているんだなぁと実感できた。

CG無しにこだわって、全て本当に現地で役者が体験して撮影されたそうだが、この豪華俳優陣にとっては「生涯で一番辛かった仕事」になるのではないか?と思うくらい、過酷なものだっただろうと思う。吹雪とか雪崩とか、一歩一歩雪を踏みしめて何日も何日も歩くとか、本当にきつそうだ。その上さらに台詞を言ったり演技しなきゃならないなんて…。思わず俳優さん達の心境を考えてしまった。

これから観ようと思っている人は、ここからは読まない方がいいかな。映画を観終わって感じたのは、映像はすごかった…けどストーリーはちょっと物足りなかった、ということ。史実を元にして作られた映画って難しいのだが、実際にそこでは何も起こらなかったのだとしたら、いくら物足りないと感じても、嘘を描いてはいけないし、その史実のままにストーリーを作るしかないんだなぁと思う。前に何かの映画を観た時も同様の感想を持ったことがある。

あれだけ登るのは無理だと言われていた剱岳が、思ったより、意外と簡単に登頂できてしまったように感じたのだ。下見の時に出会った行者が言っていた言葉の意味が「技術や体力だけでなく、雪を恐れずに雪を利用して行け」と言いたかったのが分かった、ということが重要だったのだろう。かなりの人命が犠牲になったとか相当な困難に見舞われるとか、松田龍平の地元の手伝いの人達に対する悪態が災いして大きな事件になるとか…。もちろん登頂には何日もかかったし事故もあったりしたんだけど。期待してしまったせいか、思ったほどではないと感じてしまった。

ついに登頂した直後、香川照之が足元に「自分たちより先に登頂した人間がいた」ことを示すあるものを見つけた時…。これは想像もしないどんでん返しだった。「うそ〜ん!」とひっくり返りたくなるほどのショック。実際当時の人達も、見なかったことにしたい!とショックを受けただろう。遠〜くへ投げ捨ててしまうとか…。でもこれも史実なのだ。う〜ん…現実って何て残酷な…。非道なお偉いさん達は、測量部が初登頂でなかったということに激怒し、登頂したことにすら否定的で無かったことにしたいとまでいう始末。そんなの登れたから初めて分かったことなのに…。

振り返ってみると、香川照之や浅野忠信の役の人柄が印象に残る話だった。2人のお互いの信頼関係や実直な性格とか謙虚さとか。いよいよ頂上という時に、先頭を歩いていた香川照之が、自分が先に登っては申し訳ないと浅野忠信らを先に行かせようとする所での2人のやりとり。みんなの気持ちが一つになった時。ここは爽やかでいいシーンです。

浅野忠信の奥さん役は宮崎あおいなのだが、宮崎あおいを使ってる割には奥さんのエピソードがほとんど無くて。もっと、夫の帰りを案じて堪え忍ぶ妻の姿…とかあってもよかったのか?…ていうか、そもそもこういう役に宮崎あおいっていうのも、私は飽きを感じたなぁ。何かいつも同じに見えて。

浅野忠信は、私的には以前はそうでもなかったけど最近好きになってきた。やっぱり男性は、30代半ばを過ぎると渋くなってきて、若い頃より格好良くなってくると私は思う。この間とんねるずの「食わず嫌い」に出ていたのを冒頭だけちらっと見たけど、何て言うか、透明感のある人だなと感じた。ちょっと違う所にいる人みたいな。

話が映画から逸れた。測量部と対抗して剱岳を目指す、劇中の言葉を借りると「お金持ちの道楽でやっている」山岳会は、装備や服装も洗練されてておしゃれな集団だった。香川照之たち地元の人達の格好とはえらい違いで、その対比が面白かった。山岳会の持ち物がほとんど西洋のもので、当時一般の人にはなかなかお目にかかれなかったのであろう缶入りのビスケットを、測量隊に出会う度に「いかがですか?」と差し出すシーンがやけに印象に残った。

特に夫がこのシーンを気に入ってしまい、帰りにビスケットを買って帰り、私に映画のシーンのように「どうぞ」と差し出してくる始末。お陰でこの映画の一番の印象がビスケットになってしまった。監督は元カメラマンの木村大作で、すごい映像だぁと思ったし、どうなるんだろう…と最後まで楽しめたけど、最終的にはちょっとひと味足りなかったかなというのが夫婦共通の感想。
by anewyearsday | 2009-06-27 12:48 | 映画 | Comments(0)
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